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ある日母が言った「私が死んだら骨を海に投棄してほしい。なんか、手続きしたらできるから」。そうか、母もそんな歳なのか。考えてみたら僕もそこそこの年なのだ。一昔前だったら完全に若者からバカにされる中年おじさんのポジションなのだ。なんでみんな遊んでくれるのか。ひょっとすると裏で僕をせせら笑ってるんじゃないのか。そう思うと軽く死にたくなるのでこの話は辞めたい。今すぐに。そして永遠に。


遺言の話である。海に骨を撒いてくれというのは、まあ、よくある。言ってしまえば凡庸な願いである。ただ、手続きが要るというのは初めて知った。そう言えば火葬場で焼いた骨だって立派な死体である。なる程、死体遺棄になるのか。では死体から切り離した爪はどうだろう。例えば、通夜で別れを告げる父の小指の爪がみっともなく伸びている。それはもう我慢できない位に。それを切り離すと罪になるのだろうか。なるのだろう。何せ灰ですら死体遺棄なのだ。 


遺言の話である。遺言は他の、どうでもいい願いとは違う。いまわの際の願いである。これは聞かねばならない。なにせ、その願いを最後に、彼の、彼女の願いをきくことはできないのだから。


それって、どこまで?


はたと思う。遺言はどこまでなら聞けるのか。聞いてもらえるのか。例えばだ、例えば、犯罪は無理である。当然だ。


「私が死んだら憎い旦那も殺してほしい」


ムチャクチャだ。死んだ奴の為に一生のリスクを負うなんてまっぴらごめんだ。どんな弱みを握られたんだ。というか、弱みを握った奴は草場の影じゃないか。言うことを聞く必要すらないじゃないか。


「私が死んだら、遺影を松方弘樹にしてほしい」


だめだ。なんか、ギリギリだめだ。松方弘樹だからだめだという訳でもないが、第一、誰の通夜だかわからない。通夜に来る人が入り口まで来て「あれ?松方弘樹って死んでたっけ?」ってなる。僕はいちいち「死んでますよ。それも、2年前にね」と断らなくちゃいけない。その説明をした上で、遺影が松方弘樹なだけで別な人間の通夜であることを説明しなくてはいけない。なまじ、松方弘樹が死んでるせいで説明がめんどくさい。たとえ遺言でもこれは聞き難い。


「遺影をsnowで盛ってくれ」


これならどうだ。しかも、ギリギリありそうだ。死んだ時の遺影ぐらい格好良くしたい。というか、普段からsnow使っている人はむしろそうしたいんじゃ無いのか。もう、盛りすぎるぐらい盛っていきたい。本人だと判るギリギリのラインまで盛っていきたい。


弔問に来た奴が、記帳を済ませ、棺桶の前に行って手を合わせる。ああ、アイツも逝ってしまった。何だかんだでダメな奴だったけど、憎めなかったなあ。なんて思いながら顔を上げ、遺影を見る。違和感がある。あいつ、こんな器量よかったか?ちょっと申し訳ないけど遺体を見る。そして納得する。そうそう、そうだよ、これぐらいの感じだったよ、ああ、安心した。他人の葬式来ちゃったかと思ったよねぇ。と、改めて遺影を見て、やはり違和感。なんだ?何が違う?言われて見ればこの遺影もアイツだ、死んだアイツに違いない。目の前に転がっている死体もアイツだ。アイツなのに、何かが違う。アイツがアイツでアイツが俺で。死んだのだーれだ?俺かー!?と、弔問した奴が首を捻りながらお通夜を後に出ていくのだ。是非やりたい。僕の遺言はこれにしよう。という話しを母にしたところ母に殴られた。グーで。



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