僕は紙様。と言っても、日本には八百万の紙様が居て、僕はその末席。割と下の方に居る紙様だ。この間は王子製紙製模造紙と紙様ランクを見せ合いしたらどっこいどっこいだった。僕の方が少し負けてたぐらい。悔しいけど、まあ、それぐらいの位置づけだ。
ランクからしてそうなので、僕の一日は大概暇だ。色が白い訳でもないし剛性も持っていないので、まず目立つところでは使われない。用途も限定されているので、誰かが「ああ、この紙様が使えるわ」と思いつくまで仕事は無い。出番も無いけどそもそもそう言った事に興味も無いので、わりと平和に暮らしてる。 紙様ランク10位圏内は本当に酷い。この間は元祖パルプ紙とケント紙が紙様ランク1位の奪い合いをして人死にが出た。パルプ紙は『我こそは紙の始祖』と言い、ケント紙は『我こそ紙の王』と言い張り喧嘩になる。お互いが自らを万能だと言い、「唯一紙」を謳っているからこんな事になる。紙様の用途なんて千差万別で、そのときに合った紙を使えばいいとおもうんだけど、そうもいかないらしい。「唯一紙」っていう割には不自由この上ない。おっと、あんまり言うと「唯一紙」っていう紙が怒り出すので辞めておこっと。奴ら紙様ランク10位圏内は紙としては相当強いんだけど、直ぐ怒るのだ。もうほんと紙様としての心の厚さなんて持ち合わせてないらしい。紙だからね。やっぱり紙一重なのだ。 ツイート Recent Entries from Same Category
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