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背番号

from ここう | 2007 / 10 / 29(Mon)　7:35 | Joke | comments (4)

　背番号が欲しい。背番号っていうのはアレだ、野球選手とか、サッカー選手とか背負っているアレだ。選手はその番号を背負い、活躍して、いつしか「何番っつったら誰それだろ」とか言われるまでに上り詰めるのだ。これはカッコイイ。これぞ男の生き方だ。でも残念ながら、僕はサラリーマン。サラリーマンには背番号というものが無い。僕の背広の背中には番号はおろか、名前すら刻まれていない。いわば「名無しさん」だ。没個性ここにきわまれり。森を隠すなら木の中。俺を隠すなら背広の中なのだ。なんてこった、これはちょっと男らしくない。かっこよくない。つまりモテそうにもない。新橋駅前ガード下で酔っぱらって投票もしない癖「政治が悪い」とか文句を言ってるのが関の山じゃないのか。やはりここは背番号しかない。今こそ背番号なるものが必要なのだ。ドコで貰えるんだ、その、なんかカッコイイ番号。役所かな？役所ならなんか貰えそうだ。そう思って役所に問い合わせてみたら「住民票コード」なる番号を貰えるらしい。やった！！！これで俺も背番号持ちだ！！！これを背負って生きていくんだ！！！！。僕は喜んだ、喜びのあまり受付の女性に結婚を申し込んだ。２０秒で既婚者なのがバレた。流石は役所だ仕事が早い。早いついでにその、「住民票コード」なるものをよこせ。はやく！！。そう詰め寄って手に入れた僕の背番号は１１桁もある数字の羅列だった。違うよ！！！僕が欲しいのはこんなかっこわるい数字じゃないよ！！！。やだよこんなの「背番号、１３４億２０３４万４３９９、ここう」なんて誰にも憶えて貰えないよ！！！ていうか、背中にどう書いたらいいか分かんないよ。頼むよ、こんなんじゃなくてもっとカッコイイさぁ、あるじゃんホラ、４とか５とか２４とか。そう言うと、受付の女性は側にあった整理券を抜くと僕に差し出した。数字は「５２」だ。これから僕は背番号５２として、５２に恥じないよう生きていこうと思った。もう飽きて辞めたけど。