日本語が、大好きです。(Sorry, Japanese Only.)
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 職場にたどり着く途中にあるコンビニがすごい。何がすごいって、店員のマイペースぶりが群を抜いているのだ。朝のコンビニといえば、まぁオフィスビルの側にあればだいたい何処も同じだと思うが、大概混んでいる。ここも例外無く今日もレジ待ち長蛇のonandon。レジ前から始まり弁当コーナぐるっと回って折り返し隣のレジの前までくる第三京浜柏崎インター並の賑わいを見せている。

 いや、レジ打ちの速度とかは問題ではない。ここで問題としたいのは、その「隣のレジ」。レジ待ちの列がぐるっと巡って目の前に迫っているその「隣のレジ」でバイト君が一人、ずっとおつり数えているのだ。両隣のレジが「ひたレジ打ちガンマン」してるのをよそに小銭を数える事に徹している。「数えるの大好きー」って顔をちょっと上げると目の前に並んでいるサラリー連中を確認。『うわーすごいッスね、これ、なんの列ですか?ファービー発売?』って顔を一瞬見せた後、ゆるり小銭カウントに戻る。この大渋滞を解消するという意志はみじんも見えない。こいつ、どうやら自分の職業はレジ打ちでは無く小銭カウンターだと思っているらしい。いや、まてよ。。。。ひょっとしたら間違っているのは俺たちの方なのか?。ひょっとするとこの「妖怪小銭数え小僧」は「レジ打ち」じゃなくて「小銭カウンター」としてこの店に雇われているのかもしれない。


「特技はなんですか?」


「小銭を数えます」


 これはすごい!!!。ドモホルンリンクの冒険なみにちょっと問題有りそうな職業が今ここにある。小銭を数えるのなんてきょうび機械だってできるのに、それを彼は訥々と数え続けているのだ。ともすれば、近代社会に対するアンチテーゼを示しているようにも見える彼の数える小銭は、機械には無い暖かみをもつのかもしれない。ちょっと10円玉の数間違えちゃったりとか。明らかにサービス業失格でありながらも、そんな矛盾に人は『粋』を見いだすのだ。人間とはなんと不合理な生き物か。そう思いながらも憧憬の念を禁じ得ない様な気がしないでもない。するとあれだ、そこの弁当コーナで毎日毎日、買い物する人の邪魔も厭わず、コンビニの制服も着ないで延々弁当の在庫確認をしているオヤジもコンビニ店員では無く「弁当の在庫を数える職業の人」なのだ。いったい時給幾らなんだそれ。どこまでワークシェアリングする気なんだ。ていうかこれがワークシェアリングなのか!!!!。仕事を単純作業になるまで細分化、分担することでみんなで収入を分け合おうっていうそれなのか。どんだけ共産圏だ。通勤圏内にこんな共産圏があるなんて思いも寄らなかった。私はようやく回ってきたレジに商品を差し出し、会計をすますと、頑張ってレジ打ちをしたバイト(おそらくレジ打ちしかしない職業の人)に挨拶をする事にした。



ここう:ズドラーストゥヴィ

レジ:シエシェ


 どうやら国を間違えたらしい。 




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