ようやく、ぽつぽつ本を読んだりするような毎日を取り戻しつつあります。ここうです。つっても余裕がないときには余裕が無いなりの生活をしているわけで、どうせ生活するなら、人生の明るい所を見て生きたいものです。
そんな、「明るいところを見るコツ」とは全く無縁な「MIND HACKS」を読了。普段僕たちが意識することの無い、「人間の脳」のシステムについて、簡単な実験を通して理解しよう。っていう本。 実験の内容は、簡単なものが多く、また、前半は視覚に関わる所が多く面白いです。例えば、下の様な図があって ○ + 右目を閉じて、左目でこの図の+を見ながら、顔を画面に近づけると、ある距離に達した時に○が消えて見える。とか。これって僕は小学校の頃、図書館の本で読んでいて、当時は不思議で仕方が無かったのですが、この本の中で説明されていました。スゴイ、人間の身体すごいよ! あと、ちょっと前に話題になったこの錯視とか。 http://web.mit.edu/persci/people/adelson/checkershadow_illusion.html (AのマスとBのマスは同じ色だそうです。) これも、実際に眼球が受けている信号を、脳が都合のいいように解釈して色を錯覚させているそうです。ほへー。 後半になってくると、というか、項目が記憶とか感情とかになってくると、実験はちょっと難しく(一人じゃできない)、かつ結果もなんだか曖昧な感じになってきますが、実験はしなくても、その結果と、「なぜそうなるのか」を知るだけで結構楽しめます。 全編を通して書かれているのは、「脳は、自分たちが思うほど正確ではない」ということ。ちょっと工夫をするだけで、ものの長さは違って見えるし、色だって正確には捉えられない。記憶は印象によって『後から書き換えられる』ものだし、感情も、立場と関係なく側にある表情や、言葉に左右されてしまう。なんか極端な事を言うと『僕たちはこんな不安定なシステムに頼っていていいのか』と不安になってしまいます。でも、それは、人間が進化の過程でそうなったのであって、必要な改竄や省略なのでしょう(その辺も結構説明されています)。 本文を引用すれば、『現実の世界は我々が見ているものとは違っているのかもしれないが、それで困る人はおそらくいない。我々は何も考えずに脳の見せてくれる世界を楽しんでいればいいのである。そうすれば「本当の現実」には脳が対処してくれる』のでしょう(今回一番気に入った言葉がこれ)。 仕組みを知れば怖くなくなる。対処もできる。なんて言い切るにはまだまだ謎が多いし、そんなに簡単なものでは無いですが、知れば自制の一助になるやも知れないなあ。とか思った次第。おすすめです。ちょいと高いが。 ツイート Recent Entries from Same Category
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